ヒカリの学習ノート

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「お金」が好きなら先ずは知ることからはじめよう!経済からお金の雑学、テクノロジーの動向まで、このブログを読めば一気に学ぶことができるよ。

フリーランスのための消費税入門(インボイス制度を知る!)第2章

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「ヒカリの学習ノート」を読んでくれてありがとう。今日も引き続き、消費税の話をしていくよ。

さて、突然だけど、本当に消費税って10%なのだろうか? 何を言い出すかと思うかも知れないけど、消費税の中身を知らない人はこの事実を知らなかったりするから、一応説明しておこうかな。

消費税の税率は厳密には10%じゃないんだ。

その内約は以下の通り…

「消費税(国税)」7.8% + 「地方消費税(地方税)」2.2%

この二つの税を足し合わせると10%になるというわけだ。

と、まぁ、現実はこんな内容なんだけど、世間一般では消費税は10%として認識されているからね。わざわざ細かく分けてしまうとややこしくなるから、ここでの説明も分かり易くするために消費税率を10%として表記することにする。だけど、厳密には「消費税」という国税は7.8%なんだということをなんとなくで良いから覚えておいて欲しい。

※経理担当者は消費税と地方消費税を分けて仕訳している場合があるよ

さて、いよいよ消費税の仕組みについて具体的に説明していくよ。

先ずは「物」の流れを考える必要があるんだ。

ここでは具体例として、お菓子1袋の取引に見立てて説明していくよ。

取引の流れは以下のイメージになる。消費者が実際にお店でお菓子を手にするのは当然、取引の一番最後になるよね。

メーカー → 卸業者 → 小売店 → 消費者

お菓子メーカーが商品を100円(消費税分10円を足すと110円)で卸業者に売ったとする。その後、卸業者は160円(消費税分16円を足すと176円)で小売店にお菓子を卸す。最後に小売店が200円(消費税分20円を足すと220円)で消費者にお菓子を販売したとしよう。

各取引の流れを視覚的に表すとこのようになる。矢印は取引上のお金の流れを、吹き出しは支払ったお金がそれぞれ記してある。上の吹き出しが商品単価、下の吹き出しがそれにかかる消費税だ。※税率10%として計算

では、このあとの小売店の行動に注目して欲しい。小売店側は消費者からお菓子代220円(税込)を受け取ったわけだよね。要するに消費者は小売店に消費税20円を預けているというわけだ。当然小売店は預かったこの20円を国に納めなければならないんだけど、実は全額納めるわけではないんだ。どういうことかというと、小売店もまた、卸業者からの仕入れ時に消費税を負担しているわけだよね? 実は、小売店が納税する額は、この仕入れ時にかかった消費税と消費者から受け取った消費税の差額だけで良いんだ。

つまり、上記の取引で考えると…

お客さんから預かった消費税(20円) - 仕入れ時に卸業者に支払った消費税(16円) = 4円(実際の納税額)

ということになるんだね。

ちなみに、期末日から2カ月以内に納税することになっているよ。

要は、3月決算であれば5月末までには税務署に納めなければいけないってことだね。当然、現実の取引で納める額はこんな小額ではなく、小売店の規模によっては何千万円なんてことにもなるんだけどね。

ここで紹介した計算(預かった消費税から支払った消費税を引くこと)を仕入税額控除って呼ぶんだ。覚えておこう!

ここでは預かった消費税の方が仕入れ時に支払った消費税よりも大きいことを前提として解説してきたけど、逆の場合も当然あるわけだ。

支払った消費税 > 預かった消費税

でも大丈夫、ちゃんと救済手段は用意されているよ。

税務署に申請さえすれば、差額は還付金として返してもらえるんだ。

あと、消費税のことを間接税とも呼ぶ。何故なら、実際に消費税を税務署に納税している人は私たち消費者ではなく小売店や卸業者側だからね。消費者はあくまでも消費税の負担者に過ぎないんだ。納税者はお店側だということを意識しておくと良い。

では今回はここまで、次回は消費税のかかる取引(課税対象)について解説するのでお楽しみに。