ヒカリの学習ノート

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フリーランスのための消費税入門(インボイス制度を知る!)第3章

f:id:aoyamahikari:20210118134142j:plain「ヒカリの学習ノート」にようこそ。今日もまた消費税の勉強をして行くよ。

前回の最後に話したと思うけど、消費税でも課税対象になる取引っていうのが決められているんだ。日常的な買い物ではほぼすべての取引が課税対象だからあまり気にしたことはないかも知れないけど、中には消費税の対象から外されている取引(不課税)も存在する。

条件としては、以下に挙げた4要件すべてを満たしたものが課税対象となる。具体的な内容を順番に見て行くとしよう。

要件その1:国内取引であること

先ず、大前提として日本国内の取引であることが必要となる。

当然だよね。例えば、アメリカでスティーブがサンドイッチを買ったとしても日本の消費税法とは何ら関わりはないだろう。日本人の田中さんがアメリカでコーラを買っても同じことが言える。これが刑事上の罪なんかだと、例え海外でやった犯罪であっても属人主義に基づいて帰国後処罰されてしまうんだけど、これは消費税の話だから関係ない。とにかく海外での取引は無関係だってことだね。

要件その2:事業者が事業として行う取引であること

商売を行う者であれば法人(会社)だけでなく個人も含まれるんだ。この場合は売る側が「事業」として行っているのかどうかで違ってくる。

例えばネットオークションやフリマアプリなんかで不用品の販売を行っている人であれば、それはただの個人間売買に過ぎないわけだから「事業」ではない。だから、消費税とは無関係というわけだ。

要件その3:対価を得て行う取引であること

これはそのままだね。寄付やプレゼントには消費税が課されないという話だ。その代わり、どちらかが対価を得て行う取引(ツケを含む)であれば消費税の対象となるということだね。

要件その4:「資産の譲渡等」或いは「特定仕入れ」であること

物の売買と、あとはサービスの提供などがこれに当たる。要するにホテルなんかの宿泊サービスや物品の輸送、タクシーの利用、リース契約などに見られる貸付、弁護士や税理士への相談なんかもここで言うサービスに含まれるんだ。では、勤務先からのお給料はどうなると思う? 実はこれも消費税の対象外、不課税という扱いになるんだ。理由は、受け取る側の会社員がビジネス(事業者)としてサラリーマンをやっているわけではないからなんだ。

さて、ここまで消費税の対象となる取引について見てきたわけだけど、実は、先に挙げた4要件全てを満たす取引であったとしても、例外的に社会政策的観点から消費税が不要(非課税取引)となるケースも存在するんだ。

これについても以下で具体例を確認していこう。

その1:消費税を課すことに馴染まない(適当ではない)とされているもの

例えば土地の譲渡や貸付、生命保険などの保険料、印紙代、株式の売買、行政手続き、国際郵便為替などがこれに当たる。保険料は一応4要件を満たしているんだけど、消費税を課すべきではないと判断されたんだ。ちなみに保険金は対価性がないため不課税という扱いを受けているが、保険料は非課税になる。区分は違うが消費税がかからないという意味では同じことだ。株式の売買も、取引ごとにいちいち消費税を計算していたらややこしくなっているので適さないね。国際郵便物や外国為替の手数料にも消費税はかからない。

その2:政策的な配慮によるもの

身体障害者用物品(車いす、松葉杖etc…)、教科書、住宅の貸付、医療費なんかには消費税はかからないんだ。いずれも4要件を満たしているんだけど、さすがに消費税を課すのはどうなの? と感じてしまうよね。だから、政策的配慮が加えられたんだ。医療費もそれに該当する。あと、人が住むことを目的とした家には消費税はかからないんだけど、オフィスや事務所なんかの賃貸料には消費税が課されるんだ。その違いだけ間違えないで欲しい。

また、輸出は4要件を満たしているから非課税にはならない筈だんだけど、海外で消費される商品であるため免税(消費税0%)扱いとされるんだ。実務では「輸出免税」と呼ばれているよ。本当はかかるんだけど払わなくて良いよっていうものが「免税」だね。逆に輸入取引の場合には小額でなければ基本10%の消費税が課されるよ。

ここまでの内容を整理すると、4要件を満たした上で免税でもなければ非課税にも該当しない場合にのみ10%(軽減税率であれば8%)が課されるという話だよ。

輸入取引についてもう少し詳しく解説しておこう。

先に述べた通り、輸入には消費税がかかるんだ。日本国内で消費されるわけだから当然だね。

さて、荷揚げされた輸入品は、一旦、空港や港内にある「保税地域」と呼ばれる場所で保管されるんだけど、その際に消費税の支払いが行われるんだ。支払う人は、乙仲さんと呼ばれる荷物を引き取る人が、税関に消費税を支払う(個人・法人関係ない)ことになるんだ。

なんだか引き受ける人が損をしそうなシステムだけど、実際には輸入者(商品を注文した人)が輸送代金と一緒に消費税も支払っているので、乙仲さんが自己資金で支払っているわけではないんだけどね。

ここまで消費税のかかる取引と例外的措置について話してきたんだけど、ちょっと長くなっえしまったので、今日はここまでにしたい。

次回は「消費税を納める人」について話したあとに、いよいよこの記事のメインテーマであるインボイス制度について説明していくよ。

ここまでの内容をよく理解した上で臨んで欲しい。

では、次回。