ヒカリの学習ノート

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未来を担う通貨の歴史を知ろう! 仮想通貨の始まりから現在まで

仮想通貨

はじめに

 

これから数回に分けて仮想通貨(暗号資産)関連の話をする予定だ。電子通貨である仮想通貨やそれを支えるブロックチェーン技術はテクノロジーであると同時に経済にも影響を及ぼす存在だ。本ブログは経済とテクノロジーを中心に扱っているので、無視できないテーマと言える。

 

この記事ではビットコインを中心に仮想通貨(暗号資産)とは何なのかを、歴史と今後の課題を含めて説明して行く。

 

 

仮想通貨とは何か? 本記事で扱う仮想通貨の範囲と概要

 

仮想通貨は、現代の金融システムに大きな影響を与えつつある新しい通貨形態だ。現在では、ビットコインイーサリアムなどの仮想通貨が世界中で使用され、日々その価値が変動している。また、仮想通貨には非常に高い利便性があり、低い手数料や高速な取引処理などの特徴があるため、世界中で広く利用されるようになっていることは知っての通りだ。

 

本記事では仮想通貨の歴史についても紹介していくんだけど、まずは、仮想通貨とは何か、その特徴や仕組みについて簡単に説明しよう。その後、ビットコイン(BTC)の誕生と歴史、ビットコイン以外の代表的な仮想通貨の紹介、そして仮想通貨がもたらす社会的・経済的変化や課題についても取り上げる。仮想通貨がなぜ生まれたのか? なぜ急速に広まることになったのか、同時に利点や問題点についても考察して行こう。

 

仮想通貨は従来の通貨とは異なり、独自のシステムやルールに基づいて運用されるため、多くの人々にとっては新しい概念であり、理解しにくいところもあるだろう。しかし、間に金融機関を挟まないおかげで低い手数料や高速な取引処理、匿名性などのメリットを享受することもできる。多くの人々が魅力を感じ、利用するようになった理由の一つはそこなんだ。

 

本記事の終わりでは、仮想通貨の今後の展望についても考察してみよう。魅力的なシステムに惹かれて利用者が急増すれば、現代の金融システムに影響を与えることは容易に想像できるだろう。しかし、仮想通貨にはまだまだ問題も残されており、克服していくことが今後の重要な課題となっていることは言うまでもない。

 

以上のように、本記事では仮想通貨の歴史や仕組み、そしてその利点や問題点などについて詳しく解説して行く。

 

なぜ仮想通貨なのか? 従来の通貨との違い

 

仮想通貨(暗号資産)は、従来の金融システムに対するアンチテーゼとして登場し、その利点や特徴から多くの人々に注目され、利用されるようになった。仮想通貨の最大の特徴は、中央集権的な管理機構を持たず、ブロックチェーン技術を用いた分散型の取引システムであることだ。この分散型の取引システムによって透明性や信頼性が高まり、利用者間の直接取引が可能となり、手軽でスピーディーな手続きを可能にしたんだ。

 

さて、この世に産声を上げた最初の仮想通貨は、今や誰もが知る名前となったビットコインBitcoin)だ。すべてはここから始まったと言っても良いだろう。2009年にサトシ・ナカモトという仮名の人物によって発明され、オープンソースのソフトウェアとして公開されたビットコインは、従来の中央集権型の通貨とは異なり、ユーザーが自由に取引できる分散型の通貨だ、ブロックチェーン技術によって管理されている画期的な発明と言えるだろう。

 

ビットコインは、当初はマイナーやエンジニアなどの限られたコミュニティーでしか知られておらず、一般的な金融システムにはほとんど影響を与えることがなかったんだ。しかし、後にビットコインの価値が急上昇し、多くの人々が注目するようにる。2017年には1BTC=10万円から50万円を超える価格まで上昇し、ついには100万円台にまで到達してしまったことで、一気に世間の注目を集めたんだ。この成功が切っ掛けとなり、他にも多くの新しい仮想通貨が誕生した。イーサリアムリップルビットコインキャッシュなど、様々な暗号通貨が登場し、市場を拡大させていくこととなる。

 

こうした新たな通貨の登場によって従来型の金融システムに対する批判や問題提起が引き起こされたのだが、もちろん仮想通貨側にもメリットだけでなくデメリットも存在する。中央集権的な管理機構が存在しない仮想通貨は、価格が急激に変動することがあり、それによって大きな利益を得ることができる人がいる一方で、損失を被るリスクも高くなっている。また、取引の匿名性によってテロ資金の流用に繋がってしまい、地下経済の活動資金源になるという問題も生じているんだ。さらに、仮想通貨の保管方法によっては、セキュリティ上のリスクがあるため、取引所やウォレットの選択にも慎重さが求められる。

 

総合的に見れば負の側面が出てきたことも確かなんだけど、先にも述べた通り取引の透明性やスピードの向上、国際送金などの手数料が安くなるという大きなメリットも生まれてきた。特に利点が大きいのは、従来の金融システムには参加できなかった人々にとって、仮想通貨を通じた金融サービスが利用可能になることで、金融の包摂性が高まる可能性が出てきたことだろう。

 

現在では、ビットコインイーサリアムなどの仮想通貨は、多くの投資家によって取引され、投資対象としても注目されている。また、仮想通貨を支える技術を応用したプロジェクトも数多く存在し、ブロックチェーン技術の進化や普及によって、仮想通貨が今後ますます重要な役割を果たす可能性も出てきた。しかし、これらはまだ新しい技術であり、その未来や発展には不確定要素が多く存在することも確かだ。今後も、技術の進化や規制によって、仮想通貨の取り扱いや利用方法が変化していくことが予想されるだろう。

 

ビットコインの誕生と歴史

ビットコインが生まれた背景とビットコインの発明者サトシ・ナカモトについて

 

ビットコインは、2008年にサトシ・ナカモトと呼ばれる人物(あるいはグループ)によって提唱された。その後、2009年1月にソフトウェアが公開され、正式に仮想通貨としてのビットコインが誕生したんだ。

 

中央集権的な機関が存在せず、ユーザー同士で取引を行う分散型の仮想通貨という発想は天才的だ。ビットコインを支える技術であるブロックチェーンは、分散台帳技術を備えていて、取引の透明性や信頼性を高めている。ビットコインは当初、コンピュータのマイニングによって生成された。マイニングとは、コンピュータによってビットコインの取引を承認することで、新しいビットコインを発行する仕組みだ。マイニングには高い処理能力を必要とするため、参加するコンピュータの数が多ければ多いほどビットコインの発行量が増えるという仕組みである。

 

ビットコインの初期の歴史と急速に広まった理由

 

ビットコインが取引所などで売買されることはほとんどなく、個人間での取引が主流だった。しかし、仮想通貨が注目されるようになると、取引所での取引が急速に増加し、ビットコインの価格も上昇した。

 

仮想通貨は、その性質から様々な利用が考えられるようになった。例えば、送金手数料が安いため、海外送金に利用されることが多くなったのもその一つだ。また、ビットコインを用いた取引が匿名性を持つことから、先にも述べた通り地下経済での取引にも用いられるようになってしまい、不正取引や犯罪に使われるという事態にも至っているというのが実情だ。仮想通貨はその利用方法や性質から、多くの注目を集める一方で、社会的な問題や規制の課題も抱えている。

 

ビットコイン以外の仮想通貨の歴史 ―代表的な仮想通貨の紹介(イーサリアムリップルなど)―

 

仮想通貨市場の拡大とその背景

 

先に紹介してきたビットコイン以外にも、当然多くの仮想通貨が存在する。ここからは、ビットコインと並ぶ代表的な仮想通貨について、その歴史と共に簡単に紹介していこう。

 

イーサリアム(Ethereum)

イーサリアムは、ビットコインの発展型として2015年にリリースされた仮想通貨だ。この通貨は、ビットコインが取引の承認に限られていたのに対し、スマートコントラクトと呼ばれる第三者を介さずにスムーズに取引を処理できるプログラムが実行できる点が特徴である。これによって、ビットコインよりも多様な用途が考えられるようになった。

 

ライトコイン(Litecoin)

ライトコインは、2011年にビットコインをベースに作られた仮想通貨だ。ビットコインよりも高速で取引を行うことができ、送金手数料も低い点が特徴と言える。

 

リップル(Ripple)

リップルは、2012年にリリースされた仮想通貨だ。この通貨は他とは少し変わっていて、インターネット上での送金に特化した仮想通貨とされている。送金手数料が非常に低い点が特徴だ。

 

ビットコインキャッシュBitcoin Cash

ビットコインキャッシュは、2017年にビットコインから派生して作られた仮想通貨だ。この通貨は、ビットコインよりも高速で取引を行うことができ、取引手数料も低い点が特徴と言える。

 

カルダノ(Cardano)

カルダノは、2017年にリリースされた仮想通貨である。この通貨は分散型アプリケーションの開発に特化した仮想通貨であり、高いセキュリティと拡張性が特徴とされている。

 

以上、代表的な仮想通貨を簡単に紹介したけど、暗号資産界隈には現在、数千種類にも及ぶ仮想通貨が存在しており、その数は年々増加している。それぞれの通貨には、独自の技術や特徴があり、様々な用途が考えられているので、個別に調べてその性質を知る必要がある。

 

仮想通貨がもたらす変化と課題 ―仮想通貨がもたらす社会的・経済的変化について―

 

仮想通貨は、従来の金融システムを一変させて様々な変化をもたらす可能性がある。それはつまり、同時に様々な課題やリスクも存在することを意味する。ここでは、仮想通貨がもたらす変化と課題について、簡単に紹介する。

 

金融システムの変革

仮想通貨は、従来の金融システムに比べて、より透明性や信頼性が高く、低い手数料で取引が行えることが特徴であることを何度か述べた。また、国境を越えた送金や複数の国の通貨を自由に取引できることも可能だ。これらの特徴は、金融システムの変革を促す可能性があり、一部からは懸念する声も上がっている。

 

金融のデジタル化

仮想通貨は、金融をデジタル化する可能性を持っている。従来の金融システムは、みんなも使っているような紙幣や硬貨などの物理的な存在が必要であり、その輸送や保管、管理に多くのコストがかかっているんだ。一方、仮想通貨は、デジタルであり、オンライン上での管理が可能だ。これにより、金融のデジタル化を促すことができる。輸送コストだけで数兆円と考えれば相当な費用削減になるだろう。

 

セキュリティとプライバシーの問題

仮想通貨は、オンライン上で取引が行われるため、ハッキングや詐欺のリスクが高い。また、一部の仮想通貨は取引履歴が完全に公開されるため、プライバシーが侵害される恐れもある。これらの問題を解決するためにはセキュリティ技術やプライバシー保護技術の開発が必要になるだろう。輸送コストの代わりに開発に時間的、費用的なコストがかかる可能性は否めない。

 

規制の課題

仮想通貨は国境を越えた取引が可能であるため各国が法規制を始めているため、その利用や技術革新に影響を与える可能性も出てきた。既に仮想通貨の利点でもある匿名性や取引の複雑さにより、規制が難しくなっているという側面もある。技術の発展と時代に合わない法律との間で摩擦が起きている状況だ。

 

普及の課題

現在、仮想通貨はまだ一部の人々にしか利用されていない。仮想通貨の普及には、技術的な課題とIT教育の課題がある。例えば、仮想通貨の取引には専用のウォレットや取引所が必要であり、その利用方法や安全性についての知識が不可欠である。同時に正確な情報や利用者の保護に関する法的な枠組みも整備されているとは言い難い。これらの課題を解決するために、教育や啓蒙活動、法的な枠組みの整備が必要である。

 

以上のように、仮想通貨は様々な変化をもたらす可能性があるが、同時に多くの課題やリスクも存在している。今後、技術の進化や規制の整備、普及活動などが進められることで、仮想通貨が持つ可能性が最大限に発揮されることを期待したいところだ。

 

仮想通貨の歴史を振り返り、未来に向けて期待すること ―今後の展望について―

 

仮想通貨はビットコインをはじめとする新しい技術に基づいた革新的な通貨であり、今後の社会に大きな影響を与える可能性が高い。ビットコインが誕生してから数十年が経過し、現在では世界中で多くの人々が利用しはじめている。また、ビットコイン以外にも多くの仮想通貨が登場し、それぞれ独自の特徴を持っていることはこの記事で述べてきた通りだ。

 

しかし、仮想通貨はまだ発展途上の分野であり、利用方法や法的な枠組み、技術的な課題など、様々な問題が残されていることも本記事で説明してきた。今後、これらの課題を解決するために、技術の進化や法的な整備、教育・啓蒙活動が必要となるだろう。

 

仮想通貨は、金融や経済の分野だけでなく、匿名性やセキュリティの面から、プライバシーや情報セキュリティの分野でも注目を集めている。一方で、仮想通貨の持つ可能性は、今後ますます広がっていくことが予想されるが、中央集権的な管理体制の存在しない電子通貨には様々なリスクや問題も存在するため、利用する際には注意が必要になる。テクノロジーに支えられている仮想通貨の世界は常に変化しているから、我々も日々最新の情報や技術に追い付き、知識をアップデートしていかなければならないだろう。

 

今後も仮想通貨についての情報を収集し、正確な知識を持つことが重要なので、本ブログでも取り上げて行きたいと考えている。仮想通貨の歴史を知り、将来を見据えた上で、安全に利用できるように一緒に勉強して行こう。

 

それではまた、次回の記事で。

スターリンクが国境なき情報共有を実現する ―グローバル・インターネット時代の到来 ―

starlink_top

starlink_top

久し振りの記事投稿は最新テクノロジーの話題から始めたいと思う。みんなはスターリンクStarlink)という言葉を聞いたことがあるだろうか。簡単に説明すると世界中どこからでもアクセス可能な「衛星ブロードインターネット」のことで、現在、イーロン・マスク氏が率いるスペースX(SpaceX)社によって開発が進められている低軌道衛星インターネット提供サービスだ。

(ツイート引用)

 

ツイートによればスペースXは2020年末には既にStarlink(同社の衛星)のテストを開始していて2021年初頭には初受注を果たしている。そして昨年2022年末には実利用者が100万人以上に達していることも伝えているんだ。

 

利用料金は月額109ドルと若干高めに感じてしまうかもしれないけど、場所を問わず安定した通信速度を維持できることを思えば妥当な価格と言えるだろう。

(ツイート引用)

 

尚、アジア地域として初めて運用を開始したのが日本なんだけど、月額料金は12,300円と、一般的なプロバイダ料金と比べると2倍以上もかかる。さらに専用アンテナ代73,000円も初期費用として必要なので、安定した通信速度が常時維持されている環境にいる多くの日本人としてはなかなか手を出し難いというのが現実だろうか。

 

とはいえ、まだ始まって間もないサービスなので、初回契約キャンペーンも実施されている。現在、期間限定で設備費用73,000円のところを半額以下の36,500円で提供されている。今後もユーザー獲得のためにキャンペーンが実施されることが予想できるので、機会があれば契約してみるのもありかもしれない。

 

恐らく山間部でも高速インターネットを欲する人が想定されるユーザーとなるだろう。スターリンクの現時点での推定される利益は2年間で13億ドルなので、世界中に普及すれば更なる収益が見込めることになる。当然、研究開発も進み、利用料金も見直されるかも知れない。

Starlink map

Starlink map

Starlink公式HPから引用)

 

サービス開始当初、日本国内の対象エリアは東京以北から北海道南部だけだったのだが、今では沖縄を除く全国各地にまで対象地域が拡大されている。本年度(2023年)中には沖縄も利用可能エリアに組み込まれる予定なので国内のユーザー数は益々増えていくことだろう。通信設備はビジネスを加速させる要素の一つとされているので、スターリンクの普及が消費者ニーズを満たす新たなサービスを生み出す可能性も期待できる。

 

今日は、そんな“世界をつなぐ革新的な衛星インターネットシステム”について紹介しようと思うのだけど、この記事では主に“国境なきインターネットで未来がどう変わっていくのか?”ということと“従来のインターネットと何が違うのか?”について重点的に説明して行きたいと思う。

 

 

 

スターリンクに期待できること

スターリンクStarlink)は冒頭でも紹介した通りSpaceX社が開発を進めている衛星インターネットシステムで、2015年にイーロン・マスク氏が設立し、当初の予定通り2021年に本格運用を開始している。このシステムは数千機の低地球軌道(LEO)衛星のネットワークで構成されている。衛星間レーザー通信技術を採用することによって、地上のユーザーに高速かつ低遅延のインターネット接続を提供できるようになるというものだ。

 

これだけ聞くと「なんだ、ただのネット速度改善の話か」と思うかも知れないが、筆者が最も注目しているポイントは、タイトルにもある通り“国境なき情報共有”が実現することだ。つまり、発展途上国のようなネットへのアクセスの難しい場所の人たちや国の方針で情報が遮断されている人々にも我々と同様にネットを使い、互いの意見を交換したり情報を得ることができたりするということだ。

 

スターリンクを通すことで国家による介入や規制が行えなくなるため、例えばグーグルの利用が制限されている国の人々でも様々なWebサービスの恩恵を受けることができようになるだろう。いつの時代も情報は命だ。世界情勢をいち早く知って自分の置かれた立場や国の状況を把握し、客観的に分析できるようになることは大きい。ここまで聞けばスターリンクが如何に画期的な発明であるかが分かるだろう。

 

現在でも通信キャリアによっては繋がり難いことがあるはずだ。外出先でWi-Fiスポットを探したり、通信制限を気にして思うように使えないことだってあるだろう。セキュリティーの問題だってある。それらの不自由と不安が解消されて、いつでもどこでも繋がれる、まさにインターネットの当たり前を享受できるシステムと言えるんだ。開始わずか2年で140億ドルのサブスク収入を実現しているのにも頷けるというものだろう。

 

スターリンクがテクノロジーの発展に貢献する

先にも述べた通りスターリンクはグローバルなインターネット接続に革命をもたらす可能性を秘めている。技術的には地球の低軌道を周回する衛星が高速で移動することができるため、通信速度の向上と通信範囲の拡大を可能にしていることが上げられるが、ユーザー目線で恩恵のみに焦点を当てるのであれば、その一つはネットにアクセスするために不可欠である高価な通信インフラ(大規模な工事をしなければいけない)が不要になる点が大きいだろう。それによってこれまでは高速インターネットへの接続が困難であった発展途上国でも利用者数が増加すれば驚異的な速度で情報が広まり、知識の過疎化している途上国での教育や技術革新にも貢献し、高度な意見交換が行えるようになるはずだ。近年、進化の目覚ましい機械(AI)翻訳の利用と組み合わせれば、場所と言語の壁さえも容易に越えられるようになるだろう。さらに、遅延が少ないため僻地での遠隔医療や教育などに利用されるだろうし、日本企業の世界市場へのアクセスを向上させるための最適な候補ともなり得るだろう。

 

当然、先進国においても変化が期待できる。例えば日本のように地震などの自然災害が多い国の場合には、震災発生時にも途絶えることなくインターネットに接続することが可能となるため、安否確認や政府からの最新情報を常時受け取ることもできるようになる。もちろん、戦争時にも同様のことが言える。実際、イーロン・マスク氏がウクライナスターリンクを利用するためのアンテナを提供しているのだ。状況が見えないことが人々の不安と混乱を招くが、常に最新の情報を入手して現状を把握できるインターネットに接続できるのであれば安心にも繋がるだろう。

 

 

スターリンクはただの情報通信システムではない

現在、衛生通信システムの活用で期待されている変化は他にもある。一つは、世界規模で懸念されている食糧問題の改善だ。そこで、どのようにインターネットを活用するのかと言えば、例えば農業においてはスマートフォンタブレットなどを使って田畑の状態をリモートでモニタリングすることが出来るだろう。これによって、作物の生産性向上や農薬の使用量の削減などが期待できる。農業でのIT活用は少しずつ取り入れられているので、そのままスターリンクへと繋げて行き、バッタの大量発生など、農作物に影響する存在を早期に発見し、対策することも可能になるかもしれない。

 

また、船舶や飛行機、自動運転車などの移動体においても高速インターネット接続を利用することができるため、航空や海運などのビジネスにおいても大きな影響を与えることが期待されている。リアルタイムで変化し、遅延が許されない陸と空の状況を瞬時に把握することができるのであれば、自動運転システムの導入を早めることも期待できる。もちろん現段階ではスターリンクのサービス提供地域は限られているけど、将来的には世界中に利用地域が拡大し、インターネット接続の不足を解消し、ここで紹介した以外の新しいビジネスモデルやサービスの創出を促進することに繋がって行くだろう。

 

 

グローバルインターネットアクセスのメリット

我々は分からないことがあれば手元のデバイスでネットにアクセスしてすぐに情報を取り出すことができるが、冒頭から述べている通り国によってはアクセス権が遮断されている場所も多く存在する。例えばトルコでは一時期Wikipediaが利用できないという極めて不便な状況に人々は置かれていた。必要な情報が簡潔にまとめられた世界共通の百科事典を閲覧できないなんて大きな機会損失に繋がり兼ねない。知識の共有と自由な意見交換ができないことはグローバル時代に取り残されるだけではなく、置かれた状況の適切な分析や政治への見解など、思想面での退化をも招く恐れがあるからだ。そうした現状を打破すべく登場したシステムがこのスターリンクだ。グローバル・インターネット・アクセスが普及すれば、世界的な経済競争力を高め、市場へのアクセスを提供することで各人の所得を増加させることもできるだろう。最終的には自由なインターネットの普及により文化的・地理的な障壁を取り払い、人々が互いにつながり、協力し、コミュニケーションすることを容易にする。そしてその先にある未来は、より高度な技術と知識の共有に満ちた豊かな世界となるだろう。

 

 

スペースX社によるグローバル・インターネット・アクセスの促進

さて、ここまで期待が寄せられているスターリンクではあるのだけど、その普及に向けてどのような試みを行っているのだろう。先にも挙げた通り低コストで低遅延なアクセスの実現のために、事業利益の早期改善に向けて努めていることが分かる。開発費用の捻出は順調であるため、イーロン・マスク氏が志している宇宙空間での快適なインターネットアクセスも実現できるだろう、見通しは明るいと言える。現在、ネット利用者数は世界人口の約半数以上である60%程度と言われているが、アメリカの70%に対してアジアが55%、アフリカは僅か39%程度に留まっている。全人類インターネットアクセス時代には達していないことが窺える。情報格差の無い未来のためにも、先ずは人工衛星の打ち上げ基数を増やし、利用者数拡大による収益増加とそれに伴う途上国での料金の値下げが課題となるだろう。かつて脳科学者の苫米地英人氏が予想した通り人工衛星利権が幅を利かせる時代が到来するかもしれない。

 

 

VPNにも限界がある

現状でもVPN (Virtual Private Network) を使えば国や地域を問わずインターネットにアクセスして情報を取得できるのではないかと思われているが、厳しい情報統制を図っているような国で万一VPNでのアクセスが発覚してしまった場合のリスクを考えると多用できるものではないだろう。もちろんスターリンクを利用する上でも気を付けなければいけない。例えば銀行振込やクレジットカードを使って利用料を決済すれば痕跡が残ってしまうため避けなければならない。恐らくマスク氏であればそういった国にいる利用者を考慮して決済手段に暗号通貨やクリプトを導入するなどの対策を取るのではないかと思う。政府が介在できない手段で独自に契約を結ぶのであれば足跡を付けにくくなるからだ。もちろん、企業としてのスターリンクは本社のある米国に税金を米ドルで納めることにはなるので、暗号通貨やクリプトでの決済が普及したからと言って法定通貨から解放されるということまでは意味しないことを念のために記しておく。よく『ビットコインなどの暗号通貨を人々が利用するようになれば国の監視から逃れられる』や『法定通貨の必要性はなくなるんだ』と主張する人がたまにいるんだけど、そもそも税金はその国の法定通貨で納めなければならないのだから、取引きで仮想通貨を使っていても法定通貨は必ず必要になるし、換金する度に利益率分の税金が発生することになる。これは過去に述べたことがあるかもしれないが、その国の法定通貨の強制通用力を担保することが税金の目的なのだから当たり前だ。ビットコインだろうがイーサリアムだろうがその価値の裏付けには必ず法定通貨があるのだから(例:1ETH≒182円等)、仮想通貨(暗号資産)はあくまでも法定通貨によって保障された価値であること、納税義務がある限り独自通貨で勝手に取り引きしても最終的には法定通貨に換金してから納税することになることを忘れてはならない。

 

スターリンクは開始から間もないサービスなので、これからユーザーの応用次第で活用方法が広がって行くだろうし、今の時点では予想もしないような進化を遂げる可能性も秘めている。今日の話は参考程度に留めておいて、引き続き更なる発展に期待して行こう。

 

それではまた、次回の記事で。

自動運転技術の未来 「自動緊急回避システム」がより安全な走行を実現する

自動運転技術の未来

今日は自動運転機能搭載の市販車両と次にやってくる最新技術について見て行こうと思う。以前にもこのブログでは最新テクノロジーの話題の一つとして自動運転を紹介しているんだけど、今回はテーマを絞って深堀して行くつもりだ。

 

自動運転搭載車両の現状

さて、遠い未来の話だと思われていた自動運転なのだが、ホンダは既に2022年には世界初となる自動運転技術レベル3を実現したレジェンドを販売している。こちらは運転支援機能として渋滞時に運転を支援してくれる「トラフィックジャムパイロット」が搭載されている。非常に魅力的なモデルではあるのだけど100台限定販売な上に価格が1千万円超えということから一般への普及が難しいことが窺える。しかし、その名の通り自動運転車の伝説となるような画期的な進化を遂げたことは間違いないと筆者は考えている。

レベル3(条件付自動運転車)で要求される事

レベル3(条件付自動運転車)以上ではドライバーに責任が問われないことをまずは確認しておきたい。その上で、オートパイロット機能の使用は高速道路等の一定条件下でのみ可能であることや、運転者に介入要求があればすぐにハンドルを握る準備が必要であることも忘れてはいけない。当然、目視確認も要求されるため、つねにカメラで運転者の目線は監視されている。この点が全タスクをシステムに任せられるレベル4との違いだ。

 

レベル3(条件付自動運転車)のメリット

それでは大した恩恵は受けられないのではと思われるかも知れないが、制限はあるものの、長距離移動におけるドライバーへの負担は格段に少なくなるだろう。実際、1000kmを超える長距離移動の際にもレベル3の自動運転車両を使うことで快適な旅を実現できたと語る人もいる。常時緊張感を持ち、アクセルを踏み続けることの負担も大きいのだろう。やはりシステムが補助してくれる影響は大きいのだ。

 

自動運転搭載車両の課題

ホンダ以外にもテスラやメルセデスベンツBMWなどの各社から自動運転機能を搭載した車両は一般販売されている。いずれも完全自動運転こそ実現していないのだけど、走行中に腕を組むなどの自由な姿勢が運転者に許されている。もちろん、目視で道路状況を確認することは必須だ。また、現実的な課題としては周囲のドライバーに対して自分の車両が自動運転モードで走行していることを周知しなければいけないことだろう。レジェンドでは青色LEDランプを前後のバンパーで点灯させることで周囲に条件付き自動運転中であることを示す形となる他、国指定のステッカー(「AUTOMATED DRIVE」と記載)を装着することになっているが、果たして走行中のドライバーの何人がこちらが自動運転車であることを認識できるのだろうか?これについては国交省により法制化、周知を進めてもらうことで車両間での配慮を促す他ないと言える。現時点では急な車線変更をされた際に後続する自動運転車が対応困難であるなどの問題もあり、接触事故に繋がる恐れがあるからだ。普通車のドライバーに自動運転車の存在を示すことは条件付自動運転車を普及させる上での最低条件となるだろう。

 

課題解決のための最新技術

ここまでが、現在公道を走行できる自動運転車の現状の説明になる。いずれも長距離移動の負担軽減に寄与することは確かだ。もちろん、レベル2のハンズフリーモードだけでも快適なドライブが楽しめることだろう。しかし、道路状況の変化への対応、周囲の車両の予期せぬ挙動で起こる接触事故を防ぐのはまだまだ難しいというのが実情だ。そんな中でこのほど発表されたのが、日産が開発した「緊急操舵回避支援システム」だ。その名が示す通り緊急回避時に自動でハンドル操作を行ってくれるシステムで世界初の技術とされている。早ければあと3年ほど、2020年代半ばまでには実現し、市販車両に搭載される見込みとなっている。

youtu.be

 

上の参考映像で確認してもらえば分かるけど、歩行者の急な飛び出しや転がってきたタイヤを回避し、次に脱輪した(と想定される)車両が飛び出して来た時には急停止するまでの動作が披露されている。ここまででも凄い技術だけど、路面に置かれたパレット(目視では発見困難)を早期に検知して緩やかに回避することさえも可能だ。実はこの機能にこそ日産が開発を進める緊急回避技術の凄さを確認することができる。理由は、このシステムを支える技術が自動運転センサーLiDAR(ライダー)であることだ。

 

自動運転センサーLiDAR(ライダー)

今、世界で自動運転の覇権を掴もうとしているテスラ社のイーロン・マスク氏は、LiDARに否定的な立場を取っている。もっと言えば『LiDARを使うのはバカ』とまで言っているのだ。筆者も当初はマスク氏の言うことなので鵜呑みにしてしまいそうになっていたんだけど、日産の「緊急操舵回避支援システム」を見てから考えが変わった。テスラはカメラ映像での解析に力を入れているけど、先程紹介した路上に放置されたパレットの存在を予測することは余程精度の高いカメラでもない限りは難しいし、カメラ解析では路上にあるあらゆる物体を障害物と誤認して回避することになってしまうかも知れない。しかしLiDARであれば300m先にある物体(車両であれば350m)まで予測可能であると開発担当者は説明している。現時点ではカメラとLiDARを駆使した日産車の方が安全性は高いと断言できるのではないだろうか。

 

緊急操舵回避支援システム

日産は交通事故死亡者ゼロを目標に掲げており、90年代から運転支援システムの開発に取り組んできたという。2004年には「セーフティ・シールド」コンセプトを掲げ、世界初となる最新技術を投入し、“人を守る車”の開発に着手してきたのだ。凡そ20年間に渡る取り込みの一つの集大成と言える形で実現したのが、今回メディアに向けて大々的に発表された「緊急操舵回避支援システム」だった。

通常の運転における事故を車が回避してくれることはもちろんだけど、将来的には自動運転システムを支える重要な技術になることは間違いない。実際、日産は自動運転車への搭載を前提として開発を進めている。各自動車会社が自動運転レベルの向上を急ぐ中、人身事故を回避する機能の搭載が不可欠と考えたからだろう。世論を納得させ、法整備を進めるには機械任せの運転に不安を覚える人たちには「危険が顕在化している」道路での“もしものとき”の安全を約束することが不可欠だからだ。それゆえに、刻々と変化する道路状況と危険予測、瞬時の判断、状況に応じた最良と思われる回避行動が人工知能には期待されている。

例えば、実際に起きた事故をもとに実証するならば、先行する車両が横転した場合やフロントガラス目がけて飛んできたドラム缶を回避する際に道路状況に応じて最良と思われる回避行動に出なければならない。緊急操舵で避けるのか、急ブレーキで衝突を避けるのか、熟練したドライバー同様かそれ以上の予測と瞬発力を実現するものが「認識技術(perception)」の革新とされている。ここで、先に上げたLiDER(次世代高性能ライダーを使用)とカメラ、及びレーダーの搭載が必要となる。両者ともに短所と長所があり、具体的にはカメラは多くの情報を把握することはできるけど、移動する物体の変化を予測し、軌道を正確に把握する能力に欠ける側面がある。一方のレーダーは瞬時に物体を捉えることには優れているけど電波の反射の強さを物体の大きさに置き換えて把握しているため、正確に対象物の形状を把握することが難しく、また急な変化に即応することも不得手とされている。そこで、各々の短所を埋めるべく搭載されるのが次世代高性能LiDERなのだ。レーダーのように電波の反射で捉えるのでもなく、カメラのように2Dから3Dへと予測、推定するのではなく直接3D空間を(3Dプリンターのように)把握し、計測を行えるから正確性はもちろん即時性に優れていることが特徴だ。

 

まとめ

今回、自動運転技術の説明で敢えて日産の「緊急操舵回避支援システム」を紹介し、詳細な仕組みを説明したのは、事前に紹介したテスラの自動運転開発状況と比較するのが目的だったからだ。あくまでもカメラに頼るのか、カメラ、レーダー、LiDERを駆使してそれぞれの短所を補いながらより安全な走行を実現するのか。自動車に詳しくない人間であっても結果は見えてくることだろう。筆者も自動車には疎く、テクノロジーの一分野として自動運転に興味関心を向けているに過ぎないのだけど、日産が開発を進める新技術の実現が自動運転競争の勝敗を分けることは何となく予想が付くはずだ。興味のある人は自動車メーカーごとの開発状況と照らし合わせて確認してみて欲しい。

悲惨な事故が減り、誰でも安全、快適に移動できる車社会が実現することを切に願っている。

テクノロジーが牽引する物流の未来

テクノロジー牽引する物流の未来


今日は少し趣向を変えて、テクノロジーの側面から物流の未来を予想してみたいと思う。

これから20~30年でテクノロジーが飛躍的な進歩を遂げることは明らかだ。我々の日常生活は激変すると同時に、現存する職業の殆どが自動化され、街中の有り様はかつて見たことのない光景へと切り替わっていくことだろう。日々の商品売買はもちろん、人が生きて行く上で欠くことのできない医療、紛争解決手段である法律分野、学術研究など、歴史上、人の手を離れることのなかったあらゆる職業領域で何かしらの変革が起きることは間違いないと考えている。今日はその中でも特に物流にスポットを当てることによって、未来の配送手段と生活の変化を覗いていこうと思う。

 

 

テクノロジーが人と物の移動を変える

空を制し、自動運転が陸路を補う

過去の記事でも紹介しているけど、自動運転が我々の生活にもたらす変化は計り知れない。

hikari-note.hatenablog.com

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交通事故の減少はもちろんだが、高齢者や障害者の移動が改善される点も大きいと言える。その先にあるのは物流業界の変化だ。直近の課題として再来年から施行される自動車運転業務従事者の残業時間の制限がある。2024年1月からの施行になるのだが、ドライバーの年間残業時間が960時間までに限られてしまうようになる。長時間の労働は運転者への負担も大きく、安全面からも配慮が必要になるためやむを得ない改正だが、スピーディーな配送が求められる昨今の物流事情を鑑みると、早期解決が不可欠な問題と言える。これについては既にヤマト運輸が陸路の代替輸送手段として独自の空輸手段を確保している。空飛ぶ黒猫「クロネコヤマト機」の登場だ。エアバスA321ceo P2F型機の導入によって実現したもので、日本航空JAL)の協力で実現する。近年、パンデミックによって打撃を受けていた航空業界と人手不足の物流業界が協力することで雇用の拡大が実現したのだ。

 

これによって負担が軽減されたとはいえ陸路の問題は未だ解決していない。そこで次にやってくるのが自動運転だ。2030年以降はガソリン車の販売廃止に伴い、次第にEV車へと置き換わって行くので、将来的には騒音や排気ガスによる環境汚染(CO2削減)問題は解消されることだろう。現時点で政府が注目している電気自動車の普及さえ実現すればいよいよ自動運転への切り替えに力を入れていくことになる。自動運転レベル3までの間は人間のドライバーが乗車し、緊急時の対処をすることになるが、従来のような長時間の運転からは解消されるようになる。そしてシステムが全てを制御できるレベル4以降は自動化された物流トラックが高速道路を走行できるようになるだろう。交通事故発生時の対処や積荷の管理に人の手を必要とするが、熟練した運転技術は不要となる。重たい荷物の積み下ろしもパワーアシストスーツの導入で容易になり、年齢や体力を問わず誰でもこなせるようになるだろう。

 

量子コンピューターが交通網を最適化する 渋滞の解消

次にやってくる変化が渋滞からの解消だ。膨大な計算を得意とするスーパーコンピューターに対して量子コンピューターは組み合わせの最適化を得意としている。これを信号機の制御に応用することで、渋滞問題を解決することができるんだ。青信号の点灯時間と交通量の把握により最適なタイミングで点灯を切り替えることができればよいのだが、従来のシステムでは実現が困難であった。スーパーコンピューターでさえ組み合わせの最適化処理に膨大な時間を要してしまう。これは従来のコンピューターが1ビットを0か1のどちらか一つでしか表すことができなかったからだけど、量子コンピューターは0と1を重ね合わせることで並列して計算することができる。1量子ビットという量子の特性を生かすことで、難解であった組み合わせ問題を瞬時に計算することができてしまうんだ。交通網の最適化による渋滞の解消は、日常の移動はもちろん、スピーディーな配送を後押しすることは間違いないだろう。

 

テクノロジーが労働環境を変える

管理職とAI労働者

現場の管理職に求められるスキルも変化していくことだろう。かつてはチーム管理とタスクの進行、ときに部下を叱咤激励し、成果の向上を目指すことがリーダーに求められるスキルであったが、ここに人口知能が加わることによって求められる適性も変わってくる。対人コミュニケーションの他にAIを制するスキルも求められるようになるんだ。部下にAIが加わるのだから、管理職は当然制御を得意とする上司でなければならないだろう。人工知能には美辞麗句が通用しないので、論理的な入力(命令発信)が最短、最高の成果へと繋がることになる。物流業においても倉庫内作業が自動化されるなど、現場の指揮にも変化がもたらされることになる。広大な倉庫内を動き回るのはベテラン作業員の得意とするところであったが、労働時間と体力に上限のある人間を酷使するわけにはいかない。そこで、倉庫内の配置をAIに最適化させて、経験の浅い労働者でも熟練者相当の仕事がこなせるように取り計らう必要があるだろう。そこでAIを如何に活用していくか、また、使いこなせるのかが現場管理者に求められるんだ。今回は物流をメインに語ってはいるけど、これは他の業種にも言えることだ。逆を言えば対人関係が苦手な人であってもシステムが相手であれば能力を発揮できる者が出てくるかもしれない。様々な職が自動化される中で、自らのポジションを確立していくことが人間労働者の課題になるだろう。

 

配送センターの作業がロボットに置き換わる

空と陸を制することで加速する配達

次に訪れるテクノロジーの波は配達の自動化だ。県を跨いだ長距離輸送は先に紹介した運送会社所有の機体による空輸になるだろうが、地域ごとの営業所から各世帯への配達は箱型の配送ロボットやドローン配送システムが担うことになるだろう。小回りの利くドローンは災害時の捜索や救助(治療器具とモニターを搭載したハイテク救急箱を現場に向かわせる)に活用されているんだけど、これが物流にも応用される未来も近い。Amazonや中国ECサイト最大手のアリババが実証実験に取り掛かっているが、日本でも楽天が東電やゼンリンと組んで運搬実験に取り掛かっている。既に送電線を利用したドローンハイウェイにより弁当などの軽量な荷物の運搬であれば可能とされている。自動操縦による配達が実現すれば、宅配業界の人手不足解消に繋がることは間違いない。やがてドローンの利用が個人にまで普及すれば、ヤフオクやメルカリ等での取引で活用されることになるだろう。個人間での荷物のやり取りが自動化されれば運送会社に依頼する必要はなくなってしまう。航空会社のANAが自社のノウハウを生かしてドローン運行用のルートを開拓中だ。物流業界も次なる波に備えてシェアリングエコノミーを支えるポジションを取るため積極的に食い込んでいく必要があるだろう。

 

最終局面  3Dプリンターは商品配達を不要にするのか? 

データを物質化し、物をデータのように圧縮する時代

物質の移動が不要になるというのは言い過ぎだが、3Dプリンターの普及が物流に影響を与える可能性は高いと言える。この技術で対応できる分野は幅広く、医療や食品、アパレルにまで応用できるんだ。医療分野では、臓器や人体パーツの形成が、各人の幹細胞から行うことが可能だ。また、食品分野においては、牛や豚の細胞から人工肉を形成することもできるという。人口肉が食卓に並ぶ日が到来した暁には、いよいよ臓器の形成、移植手術も身近なものになるだろう。料理であれば、レシピをもとにその場で食品を3Dプリントして食する時代がやってくるはずだ。ケーキなんかのおやつも3Dプリンターで作って食べるようになる。ただし食品カートリッジが必要になるので、物質の配達がまったく必要なくなるわけではない。衣類も3Dプリントして作ることができるだろう。ネットでお気に入りの商品が見つかったらポチッてスマホにバーコードを表示させる。そして自宅かコンビニにある3Dプリンターに読み取らせて精製するというのが未来の買い物の光景になるんだ。

 

ここまで話した3Dプリンティング技術は自動運転とは違って法整備の問題はないので普及はあっという間かもしれない。とはいえ機器やカートリッジの仕入れが必要になるので、物質の運搬が不要になることはないだろう。物流が影響を受けるのは次にくる4Dプリンターであると筆者は予想している。これは3Dプリンティングとは違い、物質の形状を自由に変化させることを可能とする。言ってみれば超圧縮技術だ。現在でも布団などのそのままでは大きな商品は圧縮されて届くが、この圧縮率が倍増して、手のひらサイズの商品が届けられると考えれば分かりやすいだろう。まるでフィクションのような光景になってしまうが、実現不可能な話ではないんだ。将来的には4Dプリンティングを活用して密度を最小限に抑えられた商品が運搬されるようになるだろう。それが常識となれば、軽量な荷物の運送に適したドローン配送の活用が増えるだろうし、倉庫での商品保管も場所を取らなくなるだろう。これによって災害への備えもやりやすくなる。逆に、今は当たり前のように使っている60、120~140サイズなどの段ボール箱での発送は『大きな荷物は迷惑!』と考えられる風潮になっているかもしれない。

 

メタバースの普及で人と物の移動が変わる

VRゴーグルを装着して自宅に居ながら仮想空間に構築された街中を散策し、世界中の人々と交流することができるメタバースの存在は、みんなも知っていることだろう。仮想現実で活動するという発想は30年以上前から既に存在していたんだけど、かつてのように3Dポリゴン化された箱を動かして終わりというものではない。今や仮想空間に構築された街を歩き回ることさえも可能となった。将来的には脳インプラントとの組み合わせでよりリアルな没入感を味わい、本物の手足のように自由に動かせるようになれば、飲食以外の日常生活は殆ど仮想空間の中で完結できることだろう。

 

『そんなことがあるわけないだろ!』と思ってしまう人もいるだろうが、現時点でメタバース上でのアルバイトも募集されている。

 

あなたがその仕事に就いたなら、自宅にいながらにしてメタバース上に作られたお店やイベント会場でアバターを動かして接客することになる。出勤はログインを表していて、現実世界での仕事と同様に勤務扱いとなる。違いは移動を省けるところだろう。ここが大きな違いだ。テレワークの延長と考えれば分かりやすいが、顧客とアバターとして対面して接客できるところがおもしろい。

 

これらの技術は物流の話と関係なさそうだと感じてしまうかもしれないが、現実世界との関わりが一切なくなるわけではないんだ。仮想空間のお店で購入した商品は、通常のネットショッピングと同様に、自宅に配送されるようになる。“ポチる”行為にメタバースが現実の“買い物”感覚を付与するだけで、商品はリアルに配送されることになる。例外としてメタバース上で使用するアイテムもあるけど、アバターの着用している服と同じものがリアルでも欲しいなどの要望も出て来るだろう。結果として、物流に頼る要因が増加することになる。ドローン配送が実現すれば、運送会社の窓口を仮想空間に開設して自宅への集荷手続きが行えるようになるかもしれない。人が生活している限り、物流との関係は切っても切れないものなんだ。

 

最終局面 人型ロボットに代替される未来

人口減少と高齢化による労働力不足はテスラボットで補える?

さて、ここまでテクノロジーの進化と物流について語って来たんだけど、技術の発展が見込まれると需要は増大し、労働力が追い付かなくなる恐れがあることが分かった。ドローンや配達ロボットなどのシステムも構築されつつあるが、箱型ロボで集合住宅に対応することは難しいだろうし、まだまだ問題解決には程遠いように思われていた。

そんな中で革新的な提案をしたのが、電気自動車、宇宙開発でお馴染みのテスラ社CEOのイーロン・マスク氏だ。

 

youtu.be

 

この汎用人工知能(AGI)オプティマス(Optimus)の開発プロジェクトは既に昨年、2021年の段階で公表されている。

 

マスク氏は今年、人口減少と高齢化が進む日本の現状を鑑み「日本はいずれ消滅」するという衝撃的なツイートをして注目を集めた。しかし、ただ注目されて終わりではない。具体的な解決策として、人型ロボット、テルラボットの開発を発表していたんだ。

 

テルラボットは来年、2023年には生産が開始される予定だ。人型なので、より複雑な作業が期待できるだろう。搭載するAIのアップデートを重ねることで、緊急時の対応や高度な作業に対応できるようになるはずだ。価格は1体あたり1万ドルとも噂されているが、価格と性能次第では物流業界に導入される可能性も高い。

 

開発チームには、完全な自動運転システムの実現のために経験を重ねて来たAIエンジニアたちが加わることによって、軽作業はもちろん、高度な仕事への従事が可能なロボットの普及も期待できる。身長170cm前後、体重60kg程度という一般的な成人男性に近い体系をしており、好意的なコミュニケーションが可能とされている。人間に近く柔軟な動きが可能なため警戒してしまうが、安全対策として成人男性よりも力は弱く設定されている。それはつまり、物流業で作業に従事することが難しいことも意味する。オプティマスを使うのであれば配送窓口での軽作業や運転を中心に、人間のパートナーと共に働くようになるかもしれない。

 

今日はテクノロジーの進化が物流にもたらす影響について語ってみたけど、どうだっただろうか。これからもおもしろい技術の話が発表されたら未来予想をしてみたいと思う。

 

それでは、また次回の記事で。

NFT最初の一歩 ブロックチェーンゲームで資産形成

もしあなたがNFT(非代替性トークン)に興味を持っているのなら、先ずは楽しみながら資産形成できるブロックチェーンゲームをお勧めしたい。理由は、簡単かつ“ほほ確実”な価値のある資産になるNFTが手に入るからだ。

 

――NFTとは何か

 

敢えて資産になるNFTと強調したのは“資産にならないNFT”もあるからだ。

例えばNFTアート(イラスト等)を例に挙げるなら、シリアルNo.の付いた複製原画のデジタルVer.と説明すれば分かりやすいだろうか。要は絵師に価値があるからこそ、発行数量に限りのある複製原画にも価値があるのだ。

 

――NFTは費用対効果の悪い副業

 

あなたが少しでも絵が描けて、パソコンやスマホの操作が不得手でないのなら、すぐにでも独自のNFTアートを発行して、全世界に向けて公開するこどができるだろう。しかし、それが売れるかどうかは別問題だ。例えプロの絵師やアニメーターであっても無名では売れない。何故ならそれは、単なる“素晴らしく上手いorかわいいだけのイラスト”に過ぎないからだ。

 

昨今ニュースでも取り上げられている国内外で荒稼ぎしている子供たちは先行者利益と話題性(海外のセレブが購入した等)による影響なのだと切り分けて考えた方が良いだろう。

NFTデータは誰でも作ることができるが、暗号資産の購入とウォレットへの送金手数料、NFT化(初回出品)に発生するガス代(ETH*で支払う手数料)で資金を溶かして電子ゴミを生み出すだけだ。*暗号通貨「イーサリアム」の単位

 

――ブロックチェーンゲームなら資産価値のあるNFTが手に入る

 

市場の動向にもよるが、トレーディングカードであれば欲するコレクターは一定数存在する。既にアナログ(紙媒体)のトレカ市場で利益を上げている投資家も、今後は続々とブロックチェーンゲームのNFT化されたトレカへと流れて行くことだろう。

 

前置きが長くなってしまったが、今日はこれから注目されるであろうブロックチェーンゲームの一つ「CRYPTO SPELLS(クリプトスペルズ)」(https://cryptospells.jp/)を紹介する。

 

「CRYPTO SPELLS」とは、その名が示す通り暗号資産としての価値あるカードが入手できるカードゲームだ。

 

登録は簡単で ツイッターかEmailで登録 から、Twitterアカウントかメールアドレスがあれば始められる。

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新規登録画面

後々入手したNFTを保管・管理するためにもメタマスク(ウォレット)との連携は必要になるけど、それは後からでも出来るので、最初は試しにフリーのメアドで登録するだけでも良いだろう。

 

プロフィールとユーザーネームを入力する画面で4桁のリファラルコード(招待コード)を入れるボックスがあるので、以下のコードをコピペして欲しい。

 

IEqZ

 

これを入れるとカードの採掘チケット(筆者のときは20枚もらえた)を手に入れることができる。入れないと何ももらえないので、初回から採掘するためにもコードは入力して欲しい。

 

採掘とは一般的なソシャゲで言うところのガチャのことで、クリスペではこれを繰り返すことによりレアカード(無課金ではシルバーまで)の入手を目指すことになる。

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カード1

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カード2

これはデッキに組み込むカードの一部だけど、始めて間もない段階からバトルに必要なアイテムはあらかた入手できることが分かるだろう。多くが初回登録時に入れた招待コード(IEqZ)で採掘したものだ。

 

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カード3

絵柄は様々で、中にはまったく世界観の異なるデザインが混じっていることにも気付く。これは、クリスペならではのシステムで、プレイヤーが自分でカードを生成できるからだ。

 

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メイン画面

審査は必要になるけど、無事発行できれば独自のカードをNFT資産として所有し、売却することも可能になる。

 

プレイヤーは世界中に存在するから、先に説明したような自分で描いたNFTアートよりは売れる確率が格段に高くなる。筆者が冒頭で通常の手法でのNFT売却を批判したのには、他に売りやすい方法があるからなんだ。

 

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カード販売ガイドライン

見ての通りmagiやtofuNFTなどの取引所とも連携しているので、購入も売却もできるんだけど、もちろんOpenSeaでの取り引きも多く行われている。

 

 

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出品カード

出品カードはあくまでも一例だけど、価格を見ると15ETHとか25ETHなんていうとんでもない高値で販売されているカードもある。

 

ちなみに2022年4月4日時点での1ETH(イーサリアム)の取引価格は約429,000円だ。要するに、もしこの15ETHのカードが売れた場合には6,435,000円、25ETHであれば10,725,000円もの利益が上がることになる。

 

今すぐには難しいとしても、今後クリスペが人気ゲームになってプレイヤーも増えていけば需要が出て来るかも知れないし、今よりもさらに高額になる可能性もある。

 

繰り返しになるが著名人に購入されるなどの付加価値がなければ独自にNFTアートを作って高額販売することは相当に難しいが、コンテンツの人気に便乗して利益を上げることは決して困難ではないと言える。

 

筆者はNFTが話題になった当時から、いつかはプレイヤーが“手元に価値を温存することができないデータ”欲しさに課金することは無くなるだろうと見ていた。例えば人気アプリゲームの「ウマ娘」であれば、重課金してようやくゲットした育成ウマ娘やサポートカードがこの先サービス終了したあとには手元に残らなくなってしまうんだ。

 

筆者はウマ娘というコンテンツが好きでアニメ放送当時から応援してきたので、Cygames(サイゲームス)さんには是非ともこの機会にウマ娘ブロックチェーンゲーム化を進めて欲しいと強く願っているんだ。そうすれば、プレイヤーが資産を作れるだけでなく、世界中でウマ娘のNFTが取り引きされるようになり、今以上の知名度アップが期待できるからだ。

 

今日紹介したクリスペはこれから流行るであろうブロックチェーンゲームの一例に過ぎないけど、こういう形で資産が持てることを知ってもらいたくて記事にしてみた。

 

最近話題のメタバースであれば、例えば仮想空間内で使うアバター(自分の分身)や

衣装なんかをNFTで所有、売買する時代が来るのだろうと兼ねてから想像を膨らませていたんだけど、ちょうど2022年3月16日のニュースでマーク・ザッカーバーグCEOが、インスタグラムでのNFT導入の計画を正式に発表した。早ければ数カ月以内にも取り扱えるようになるようだ。インスタでのNFT発行、作成が実現すれば、販売所で売買される商品が増えることになり、益々活況となるだろう。

 

これからの時代、仮想空間とブロックチェーンは切り離せない関係になって行くはずだ。

 

今回このヒカリの学習ノートでクリスペを取り上げた理由は、このブログがメインターゲットとしている経済、お金、資産、そこに付随するテクノロジー分野として無視できない情報だったからだ。お金とテクノロジーは常にセットで意識するようにしたい。

 

最後に、NFT資産形成の第一歩としてクリスペを始める人には、是非招待コードを入れて採掘(ガチャ)チケットを入手してもらいたい。

 

IEqZ

 

デッキを編成する上で1枚でもカードが多い方がバトルがしやすいからだ。

その後はフリーバトルで少しずつ採掘チケットを集めて行こう。

 

それでは、また次の記事で。